Paper-Chase's Prayer

コンサル&外資系金融での実務経験をもとにビジネス・仕事術系の雑感を書いていきます。

英会話スクールよりも効率的にスピーキング力を磨く「瞬間英作文」

1年ほど前、「TOKKUN ENGLISH」(今は改称して「PROGRIT」)という英語コーチングサービスを受けていました。簡単に言えば「英語版ライザップ」みたいなもので、週1回コーチの指導を受けながら日常生活の中で時間を見つけてガッツリ英語を学習するというものです。

www.progrit.co.jp

毎日3時間を2ヶ月間、というのはなかなか大変でしたが、そのおかげで英語学習が習慣化され、今でも毎日1~2時間の学習を続けています。自分の記録によれば、卒業後9ヶ月間での学習時間は600時間近くとなっています。

その中で得たものは多くありますが、今回は「スピーキング」の改善方法について述べたいと思います。

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入会の前に英語力の診断があります。自分はとにかくリスニングが苦手、だとは思っていましたが、スピーキングも相当ヤバい、ということがわかりました。

たとえば試験官に「では、自分の仕事について説明してください」と言われます。

しかし、"My job..is...umm..."みたいに、とにかく英語が口から出てきません。

SPM (Sentence per minute、1分あたりに口に出した文の数)という指標があるそうなのですが、自分は5~6だと言われました。ちなみにネイティブは(たしか)15 SPM、つまり4秒で1文といったスピードで話す、とのことです。

というわけで、学習計画にあたってはリスニング強化はもちろんのこと、スピーキング強化も入れることになりました。具体的には「瞬間英作文」というメソッドを紹介されました。

ベストセラーなのでご存知かもしれませんが、文字通り「日本語の文を見てすぐに英語で話す」という練習方法です。

たとえば

僕は今日の午後、彼に会う予定です。

なら、

I am going to meet him this afternoon.

と瞬時に置き換えていきます。

 

<使ったテキスト>

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入門書としてはこれ。

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https://www.amazon.co.jp/dp/4860641345

中学英語レベルですが、これをマスターするだけでも旅行会話くらいならいけるんじゃないでしょうか。


慣れてきたらこちら。

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https://www.amazon.co.jp/dp/4860641574/

文章が複雑になっていく分、力がつきます。後半は相当ハイレベルです。


さらにこちら。

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https://www.amazon.co.jp/dp/4863921098/

仕事で使えるフレーズが満載です。


これを最初のうちは1日1時間ずつ2ヶ月。その後は毎日30~15分で9ヶ月。


英語を話す練習をしたいなら英会話スクールに行く、という発想がまず浮かぶかもしれません。しかし、瞬間英作文は以下の点において英会話スクールよりも優れています。

  1. 安い:上記の本は約1500-2000円です。英会話を習うとスカイプ英会話でも月に4000-6000円するので、費用は段違いに抑えられます。私も上記の「英会話フレーズ ビジネス編」を10ヶ月近く、何十往復も、身体に染み込むほどに練習しています。
  2. どこでもできる:英会話はスクールや自宅など一定の場所で行う必要がありますが、瞬間英作文の練習は本まはたスマホがあればどこでもできます。私は通勤時にやっています。
  3. 学習時間をフルに自分のために使える:英会話レッスンは先生や他の受講者が話している時間もあるので、自分が話せる時間は減ります。たとえば60分のグループレッスンなら、自分が話している時間は実質10分とか15分になります。その点、瞬間英作文は60分そのすべてが自分のために使えます。


ただ、以下の点では英会話サービスに軍配が上がります。

  1. 実践力を磨ける:次々と変わる会話の流れに対処する、相手からの思いがけない質問に対してすぐに回答する、自分で質問を考えて言う、といった実践慣れのためには、やはり英会話レッスンが重宝します。
  2. 発音の矯正ができる:瞬間英作文は、当然、自分が一方的に話すものなので発音やアクセントがおかしくても直してくれる人はいません。その点ではプロの講師がいたほうがベターです。
  3. 楽しい:リアルな人との会話なので、楽しく学習できる点では対人のレッスンにはかないません。

よって、理想的なのは「瞬間英作文を毎日+ときどき英会話レッスン」のように組み合わせることです。実際、自分もスカイプ英会話(レアジョブ)を週2回やっています。

www.rarejob.com

ただし、瞬間英作文だけでも、スピーキングはそれなりに上達できるはずです。

「瞬間英作文と英会話レッスン」は、野球に例えれば「素振りと紅白戦」の関係みたいなものです。毎日の素振りで力を蓄えておくからこそ、紅白戦で活躍したり、本番で勝つための新たな課題を見つけたりできるわけです。予算や時間的に難しいようなら、英会話レッスンは最小限でよいと思います。


そして、この毎日の瞬間英作文が、非常に、非常に効果がありました。最初は英語になかなか変換できずに四苦八苦するわけですが、だんだんと「日本語を英語に置き換える脳内回路」ができあがってくるのです。教材に出てくる言い回しがスラスラ出てくるのはもちろんのこと、教材にない表現でも(変換回路ができあがっているので)瞬時に作って話せるようになっていきます。

1年前の自分は、会社の会議で英語で話すなんて絶対ありえない無理無理、通訳さんお願い! くらいのレベルでした。

しかし最近では、簡単な説明や質問なら英語で行っています。外資系なので米国本社スタッフとのコミュニケーションもスムーズになりますし、自分のことを覚えてもらえるようになります。まだ会議全体の1,2割程度ですが、海外のスタッフとリアルで英語でやりとりできるようになったのは本当に嬉しく、自分に起きた大きな成長を実感しています。

また、メールの返事を英語で書いたり、報告資料を英語で作るのも早くなりました。辞書を調べたり翻訳担当者に依頼して待つリードタイムがなくなり、結果として納期も短くなるので周囲に喜ばれます。これも、この1年、瞬間英作文を続けてきたおかげです。

英語で、言いたいことがすぐに口から出てこない、という方は、瞬間英作文メソッドをぜひお試しください。細く長い継続が必要になりますが、かといって↓みたいな美味い話は、絶対にありませんので…。

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次回以降は、リスニングの学習体験談を書きます。


宣伝。10/6 土曜日に「人狼研修」です。

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