プレゼンテーションの冒頭でツカミたいなら「告白」をしよう
ブログや研修などでよく紹介しているのですが、私が史上最高のプレゼンだと思っている「やる気に関する驚きの科学」(ダニエル・ピンク/TED Talks)。最初に衝撃を受けてからかれこれ10年、折りに触れ観ていますが、また改めて発見がありました。
このプレゼン、このように始まっています。
最初に告白させてください。20年ほど前にしたあることを私は後悔しています。あまり自慢できないようなことをしてしまいました。誰にも知られたくないと。思うようなことです。それでも明かさなければならないと感じています。(以下略)
また、別のTED動画、ケリー・マクゴニガルの「ストレスと友達になる方法」では
告白しなくてはならない事があります。でもまず皆さんに少し打ち明けて欲しいのです。去年、ほとんどこれといったストレスを感じなかった方はちょっと手を挙げてください。(以下略)
2つの動画に共通しているのは「告白」です。告白=秘密にしていたことを打ち明ける行為ですから、聞き手の関心をソソるうえで非常に効果的な言葉です。「告白したいことがあります」と言われたら、誰だって「え、なになに?」となるでしょう。恋バナでも、誰が誰にコクったとか、我々そういう話大好物ですし。
他にも探してみるとやはりありました。
私はジェシー。これは私のスーツケースです。中に入っている物をお見せする前に皆さんの前である告白をします。私は洋服に夢中です。洋服を探すのも着るのも大好き。最近は写真を撮ってブログを書いていて様々なシーンで使えるカラフルでクレイジーな装いを紹介しています。でも(以下略)
中にはタイトル自体に「告白」が使われているプレゼンもありました。
(残念ながら日本語訳無しですが「マイクロマネジメント」の話ということでおもしろそうです。マイクロマネージャー、結構多いですからね…)
こうしてみるとプレゼンにおいて「告白」を採り入れるのはツカミとして有効そうです。
皆さんのプレゼンでも簡単に実践できるはずです。上記動画のように冒頭で「まず皆さんに告白をします」と話す。あるいはプレゼンタイトルで「○○○○の告白」といったものにするだけです。
ただし注意点があります、
- 「告白します」と言われれば、聴衆の期待値は当然に上がるのでそれに見合った内容にする:ダニエル・ピンクやケリー・マクゴニガルも自分の失敗談を語っていますし、ジェシーも意外性のある意見を話しています。「なーんだ」と思われるようなありきたりな内容では逆効果に終わります。
- 告白の内容はプレゼンのテーマにそったものにする:告白をしてツカんでも、それが本論に関係なければ「あれはなんだったんだ」と聴衆は感じます。「ストレス」がテーマのプレゼンであれば、自分のストレスにまつわる告白をして、そこから本論につなげていきます。(なお、ケリー・マクゴニガルは自分の告白より前に聴衆に告白させることで、聴衆のエンゲージをさらに高めています)
「失敗談」と書いたあとで気づきましたが、この「告白メソッド」を使うのであれば、失敗談の引き出しは多ければ多いほど有利、といえます。
来年も仕事やプライベートでいろいろと失敗をやらかすかもしれませんが、もしそういうことがあったら「よし、告白メソッドの材料ができた♪」ということで負け惜しみ、いや、前向きに受け止めていきましょう。
それはいつか将来、どこかのプレゼンで聴衆を巻き込む強力な武器になってくれるはずです。
来年もよろしくお願いいたしますm(_ _)m