【ロジカル】人狼と仕事の両方で勝つための6つの鉄則【マジカル】
「日本一楽しい理論政策更新研修(仮)」を自負する「交渉・説得型コミュニケーションゲームを通じた従業員スキルの評価手法の紹介」研修。
今年はまず
- 2/8(金)18:45 ~ 23:00@池袋
- 3/9(土)13:30 ~ 17:45@日暮里
で実施します(東京以外でも開催検討中です。「ここで開催してほしい」というリクエストがありましたら検討しますのでお知らせください)。
更新のために3月までにポイントが必要という方、せっかくなら楽しくポイントを得たいという方、お申し込みをお待ちしています。
本研修では「人狼」という会話ゲームを通して、ビジネスパーソンの思考力やコミュニケーション力を測定する方法を紹介します。それに関連して、ここでは「人狼で勝つための6つの鉄則」が、そのまま「仕事をうまく進めるための6つの鉄則」になりうることを説明します。
(以下、人狼についての記載は、人狼の遊び方を知っていることが前提となります。ご存じない方はYoutubeなどで一度ご覧になってみてください。↓こちらなど分かりやすいです)
<人狼と仕事で勝つための6つの鉄則>
■鉄則①:主張するときは根拠をもとう
[人狼] 誰が人狼なのかを探っていく際に「僕はAさんが人狼だと思う」とだけ言っても周囲は納得してくれません。なぜそう思うのかの理由が必要になります。たとえば「カードをめくって役職を確認したときに反応が不自然だったから」などと言えば、同調する人も出てくるかもしれません(もちろんこれだけでは人狼を特定できませんが)。
[仕事] 売上低下の原因を探っていく際に「僕は商品に魅力がないからだと思う」とだけ言っても周囲は納得してくれません。なぜそう思うのかの理由が必要になります。たとえば、ユーザーにアンケート調査をしたところ競合製品よりも評価が低かったとか、そういう根拠があれば周囲も納得してくれるはずです。
■鉄則②:「わからない」で立ち止まらず「仮説」を立てて進もう
[人狼] 「いったい誰が人狼なんだ…わからん」と行き詰まっていても人狼が有利になるだけです。候補者を絞れなければ追放選挙での投票が分散してしまい、人狼を追い出すことができなくなります。時間が限られている以上、なにかしらとっかかりを見つけて、前項のように「○○だからAさんが人狼じゃないだろうか」という仮説を立てて、みんなで検証していく。そのような進め方をしなければなりません。
[仕事] 「売上低下の原因がわからん…」と行き詰まっていても売上は回復しません。「アンケートで評判が悪かったから商品の魅力を高めればよいのではないか」といった仮説を立て、それを検証することで進んでいきましょう。それが正しかったならベターですが、正しくなかったとしてもそれはそれで1つの情報です。別の仮説にトライしていきましょう。
■鉄則③:結論先行で話そう
[人狼] 繰り返しますが、ゲーム中は本当に時間がありません。「Aさんのさっきの表情が気になるんだよな~そういえばBさんは自分は預言者だと言っているけど本当かなあ…一方でCさんは■%&*○▲…」などととりとめもなく話すのは自殺行為(人狼にとってはプラスですが)です。
「Aさんが人狼だと思う。なぜならさっきAさんは(みんなが怪しんで投票した)Bさんに投票していなかったから。」のように、端的に話すことが、市民チームへの貢献になります。
[仕事] 「結局言いたいことは何?」「で、結論は?」などと上司をイラつかせてしまった経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。「プロジェクトメンバーもみんながんばっているのですが思うように開発が進まず、一方で予算も超過し始めており、いやもちろん抑えるように工夫はしているのですが■%&*○▲…」みたいな話し方は上司や会議参加者の時間を奪い、ストレスを与えることになります。
「プロジェクトの遅延を取り戻すために人員を2名追加したいです。なぜなら○○が…」のように、主張や結論をまず明確に伝えましょう。
■鉄則④:「根拠」のウラ取りをしよう
[人狼] 「フェイクニュース」という言葉が市民権を得てきていますが、人の主張は鵜呑みにせず、その根拠が確実なものかどうかを常に確認しましょう。
たとえば、ある人を人狼だと疑う根拠として
・なんか無口な気がするから。
・さっきAさんは(みんなが怪しんで投票した)Bさんに投票していなかったから。
の2つでは後者のほうが納得感があります。前者の「無口な気がする」はあくまで主観なのに対して、後者の「投票しなかった」は全員が目撃している客観的な行動だからです。ゲーム中は時間が限られるので、どうしても主観をもとに判断しなければならない場面もありますが、極力、根拠となる情報の確度は意識していきましょう。
[仕事] 「プロジェクト遅延の原因は、メンバーのスキル不足です。メンバーのXさんやYさんが若手で、作業が遅いように思います」という主張は、どうでしょうか。本当にそうかもしれませんし、「作業が遅い」というのは話し手の主観であり、話し手の仕事が速いために相対的に遅く見えているだけかもしれません。この場合は、本当に作業が遅いのかを検証し、遅くないのであれば他に原因をあたっていくことが、判断ミスを避けるためには必要でしょう。
■鉄則⑤:複雑な情報はメモを取って整理しよう
[人狼] ゲーム中はさまざまな情報が飛び交います。誰が誰を疑った、誰が誰を占った、誰が誰に投票した…。最初は情報が無さ過ぎて行き詰まりがちなのですが、後半になると情報が多すぎて逆に収集がつかなくなりがちです。ゲーム初心者の方はメモをとることをおすすめします。そうすることで重要な事実を忘れずにおいたり、こんがらがった情報を整理しながら進めることができます。
[仕事] 仕事でも多くの情報が飛び交います。頭に入れておくだけではまず忘れてしまいますし、複数の情報の関連性(因果関係があるとか、同じグループに属する…など)に気づくことも難しいでしょう。また、最初に「主張するときは根拠をもつ」と言いましたが、根拠となる情報は、いつでも引き出せるようにしておかなければなりません。忘れないために、情報の整理のために、そしてロジカルに主張をしていくために、メモ書きは不可欠です。
■鉄則⑥:論点を明確にしよう
[人狼] 「いま、何について議論しているのか」「何の結論を出そうとしているのか」を参加者全員が同じく認識できていないと、議論はまとまりません(これも人狼にとっては美味しい状況です)。たとえば「Aさんが預言者だとカミングアウトしたが本物の預言者なのか」を議論しているときに、それ以外の話題が紛れ込んでくると議論は混乱し、結論は出にくくなります。
[仕事] 会議でも「いま、何について議論しているのか」「何の結論を出そうとしているのか」を全員で書くにして置かなければなりません。論点に関係のない意見は時間の無駄です。どうしても他のことを話したいのであれば後で話すか、「それを先に話し合わなければならない理由」を示して、論点を変えることを全員で合意するべきです。
このとおり、「人狼をやればやるほど仕事の能力も磨かれていく」というわけです(?)。具体的には、このようなメリットが出て、みなさんの組織の判断力や機動力が磨かれます。
私の理論政策更新研修以外でも、渋谷や秋葉原には「人狼カフェ」(雀荘のようにふらっと行って人狼が遊べる場所)もあります。ぜひ一度遊んでみてください。
こちらで示したように無料で研究会などへの訪問体験も実施しています。
プレゼンテーションの冒頭でツカミたいなら「告白」をしよう
ブログや研修などでよく紹介しているのですが、私が史上最高のプレゼンだと思っている「やる気に関する驚きの科学」(ダニエル・ピンク/TED Talks)。最初に衝撃を受けてからかれこれ10年、折りに触れ観ていますが、また改めて発見がありました。
このプレゼン、このように始まっています。
最初に告白させてください。20年ほど前にしたあることを私は後悔しています。あまり自慢できないようなことをしてしまいました。誰にも知られたくないと。思うようなことです。それでも明かさなければならないと感じています。(以下略)
また、別のTED動画、ケリー・マクゴニガルの「ストレスと友達になる方法」では
告白しなくてはならない事があります。でもまず皆さんに少し打ち明けて欲しいのです。去年、ほとんどこれといったストレスを感じなかった方はちょっと手を挙げてください。(以下略)
2つの動画に共通しているのは「告白」です。告白=秘密にしていたことを打ち明ける行為ですから、聞き手の関心をソソるうえで非常に効果的な言葉です。「告白したいことがあります」と言われたら、誰だって「え、なになに?」となるでしょう。恋バナでも、誰が誰にコクったとか、我々そういう話大好物ですし。
他にも探してみるとやはりありました。
私はジェシー。これは私のスーツケースです。中に入っている物をお見せする前に皆さんの前である告白をします。私は洋服に夢中です。洋服を探すのも着るのも大好き。最近は写真を撮ってブログを書いていて様々なシーンで使えるカラフルでクレイジーな装いを紹介しています。でも(以下略)
中にはタイトル自体に「告白」が使われているプレゼンもありました。
(残念ながら日本語訳無しですが「マイクロマネジメント」の話ということでおもしろそうです。マイクロマネージャー、結構多いですからね…)
こうしてみるとプレゼンにおいて「告白」を採り入れるのはツカミとして有効そうです。
皆さんのプレゼンでも簡単に実践できるはずです。上記動画のように冒頭で「まず皆さんに告白をします」と話す。あるいはプレゼンタイトルで「○○○○の告白」といったものにするだけです。
ただし注意点があります、
- 「告白します」と言われれば、聴衆の期待値は当然に上がるのでそれに見合った内容にする:ダニエル・ピンクやケリー・マクゴニガルも自分の失敗談を語っていますし、ジェシーも意外性のある意見を話しています。「なーんだ」と思われるようなありきたりな内容では逆効果に終わります。
- 告白の内容はプレゼンのテーマにそったものにする:告白をしてツカんでも、それが本論に関係なければ「あれはなんだったんだ」と聴衆は感じます。「ストレス」がテーマのプレゼンであれば、自分のストレスにまつわる告白をして、そこから本論につなげていきます。(なお、ケリー・マクゴニガルは自分の告白より前に聴衆に告白させることで、聴衆のエンゲージをさらに高めています)
「失敗談」と書いたあとで気づきましたが、この「告白メソッド」を使うのであれば、失敗談の引き出しは多ければ多いほど有利、といえます。
来年も仕事やプライベートでいろいろと失敗をやらかすかもしれませんが、もしそういうことがあったら「よし、告白メソッドの材料ができた♪」ということで負け惜しみ、いや、前向きに受け止めていきましょう。
それはいつか将来、どこかのプレゼンで聴衆を巻き込む強力な武器になってくれるはずです。
来年もよろしくお願いいたしますm(_ _)m
「パワポ読み上げプレゼン」は聴衆の理解力を28%、創造性を79%下げる
英語学習の一環で、現在こういう洋書を読んでいます。
訳すと「脱・箇条書きプレゼン」といったところでしょうか。2006年のベストセラー「ハイ・コンセプト」の中で紹介されていました。本書も(アメリカで)ヒットし、中国語や韓国語、ロシア語などに翻訳されていますが、あいにく日本語版は出ていません(多くの日本企業が実践すべき内容だと個人的には思うのですが…)。
著者はコミュニケーションのコンサルタント。アメリカ空軍、スタートアップ企業、MBAなどのキャリアを経て、旅行先のフランスで出会ったガイドのストーリーテリングの素晴らしさに触れ、スピーチとビジュアルのあるべき関係を考えていくようになります。
その後、著者は超大手企業の社内コミュニケーション改善に携わったり、ある弁護士に依頼され、陪審員向けの説明資料の作成に携わるなどしています(訴訟相手の製薬企業の弁護士が難解で退屈なプレゼンをしたのに対し、著者側の弁護士は明快かつ魅力的なストーリーで勝訴をもたらしています)。
私もまだ2割程度しか読んでいませんが、ぜひ共有しておきたいトピックがありましたのでここに記します。
我々はプレゼンで脳で情報を受け止めるとき「目」と「耳」を使います。視覚(Visual)と言葉(Verbal)の2つのチャネルがあるわけです。
直感的には、この2つに同じ情報を流したほうが理解が促進される気がします。たとえるなら「お風呂に水を貯めるうえではパイプ1本から送るよりも2本で流し込んだほうが早い」ということです。
しかし実際には"Redundancy Effect"(直訳すると「冗長効果」?)というものがあります。これは「同じ情報を2つの経路で送られると、脳(ワーキングメモリ)の処理機能に負担をもたらす」というものです。つまり、理解度が下がるのです。
お風呂の水のように混ざってもよいものならパイプ2本で送っても問題ありません。しかしここで送ろうとしているのは「情報」です。「2人の人が同時に同じ内容を話す」場面をイメージしていただければおわかりいただけると思いますが、たとえ内容が同じでも意識が両方に分散してしまうのです。
そんなふうに意識を分散させる行為が、世の中の多くのプレゼンシーンでは起きています。たとえばこういうスライドを投影しつつ内容を説明した場合。
投影された瞬間、聞き手はそこを読みにいきます。そして同時にプレゼンターが同じ内容を口で読むわけです。
読み上げの音声を作ってみたので上記の再生ボタンを押して聴きながら上記スライドを読んでみてください。音声が邪魔に感じるはずです。
「スライドの内容=話す内容」なプレゼン、つまり「箇条書き読み上げプレゼン」は聴衆の理解度を落とすのです。本書によると、ある学者が実験したところ、
「文字スライドと音声を同時に流したプレゼンを聞いた聴衆と、そこから文字情報を取り除いたプレゼンを聞いた聴衆とでは、後者のほうが情報を28%多く(脳内に)維持し、その情報を創造的な問題解決に79%多く活用できた」
とのことです。
「スライドの内容=話す内容」なプレゼンを避けるためには、どちらかを少なくする必要があります。しかし、プレゼンターが話さない、スライド主役のプレゼンはそもそもプレゼンではなく、だったらメールで送ってよ、となります。
したがって「スピーチをメインとし、画像と最低限のテキストを含んだスライドでそれを補強する」というスタイルを本書では推奨しています。
似たところで「無駄がなくシンプル、かつ本質をついたスライドデザイン」を提唱する「プレゼンテーションZen(禅)」という本があり、私もこれに強く影響されており、可能な限り、たとえばこういうスライドを取り入れています。
こうすると、やはり聴衆とのアイコンタクトが促されます。話を聞いてもらえるようになります。聴衆がスライドばっかり見てしまっているプレゼンはやはり寂しいです( ̄∀ ̄)。
なお、「箇条書き読み上げ」をしないプレゼンでは、当然、話す内容を覚えてプレゼンに臨む必要があります。内容を覚えるくらいに練習しておくことがプレゼンターの責務ではありますが、ちょっとそれは大変というのであれば、パワーポイントなら「発表者ツール」で自分だけ手元で原稿が見えるようにしておくのも一案です。
本書はこの後、具体的なストーリー作りの話に進んでいきます。私も楽しみにしていますが、また役に立つ情報があれば、本ブログで紹介したいと思います。(以上)
シャドーイングは神勉強法。TOEICリスニング(ほぼ)満点と、アメリカ人役員へのプレゼンを実現。
先日、自社の本社(米国)役員に対してプロジェクトの成果を英語でプレゼンするという大舞台の機会をいただき、なんとかやり遂げました。
また、それ以外でも海外スタッフとの会議にて(部分的ながら)英語を使えるようになってきました。
また、直近に受けたTOEICは、リスニングが490点でした。
満点は495点なので、あと5点で満点ということになります。
それくらいに自分の英語力が伸びてきたのは、1年前に"TOKKUN ENGLISH" (今は"Progrit"に改名)というスパルタな英語塾に通ったことがきっかけです。そして、その中でも特に自分の英語力を変えたのは「シャドーイング」という練習法でした。
■かなりしんどいが効果の上がる「シャドーイング」
シャドーイングのやり方は既にあちこちで書かれていますので詳細は省きますが、「英語音声を聴いて数秒遅れてマネする」というものです。通訳になる人がやる練習法だそうです。
自分がやっているシャドーイングの様子がこちら。
プロの通訳の方の動画を見つけたのでこちらのほうが参考になります。
単なる聞き流しや音読と違って、シャドーイングでは「聴く」「話す」を同時に行うので難易度も高く集中力が要ります。口も疲れてアゴの筋肉が痛くなります。
しかしその分、確実に耳が良くなります。正しくマネしなければならないので、脳がより正確に聴き取ろうと作用するのかもしれません。(過去に聞き流し的な学習もやったのですが、リスニング力はあまり伸びませんでした。やはり漫然と聴くだけではダメですね)
TOEICのリスニングや、会社での会議が聞き取れるようになってきたのは、間違いなくシャドーイングを毎日30分×数ヶ月間続けてきたおかげです。
また、ネイティブの音声をマネするので、発音も改善されていきます。
私の先ほどのシャドーイング(今年12月に録音)と、次の録音(昨年10月に録音)を聴き比べてみてください。1年2ヶ月前のジャパニーズカタカナイングリッシュからいくらかマシになっていることがおわかりいただけると思います。
これが↓
こうなる↓
■シャドーイングに用いる題材
<TEDの音声を使う>
題材としては、そのスパルタ塾ではTEDを使っていました。この"GRIT"のプレゼンなど、内容も勉強になりますし、発音もきれいなので特にオススメです。
その塾では、これらの音声を30秒くらいずつ区切り、1パートにつき30分×7日間練習して徹底的に完コピするように言われました。何百回と繰り返すことになりますが、ネイティブの音声を自分の中に取り込むにはそれくらい必要です。
最初はボロボロだったのが、3,4日目でそれなりに音声の後を追えるようになってきます。しかし、そこで満足せず細部の発音や音の変化(Check it up→チェキラ、みたいな)にもこだわって「完コピ」を目指します。
同じ音声を3時間練習することで見えてくることがあるのです。あちこちの教材に手を出すよりは、短い音声を徹底的に掘り下げて極めるほうが収穫が多いです。「多聴」もやれるに越したことはありませんが、優先すべきは「ディープ・ラーニング」だと思います。
なお、TEDの音声は、それぞれの動画の「Share」からダウンロードできます。
また、自分はAndroidスマホですが音声ファイルの分割は「mp3cutter」で行っていました。
また、音声が速すぎる場合は「ミュージックテンポチェンジャー」でスピードを落としたり、AB間リピートで反復練習しました。
なお、発音の基礎をちゃんと学ぶ機会がこれまでなかったという方は「英語耳」などで学習しておくのをオススメします。口や舌の正しい動かし方を理解しておくことでシャドーイングも上達しやすくなります。
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<TOEIC公式問題集の音声を使う>
本番のTOEICと同じナレーターなので、その発音を自分のものにできればTOEICで有利になります。Part3や4が難しければ、Part2の短文を使ってもよいと思います。Part2は生活やビジネスで使われるフレーズも盛りだくさんなので、練習すれば英会話力アップにも繋がります。
公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 4
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<好きなジャンルの動画を使う>
私は現在、好きなTVゲームの開発者インタビューを使っています。やはり好きなものでやると飽きにくいです。また、TEDやTOEICとは違って話し手はスピーチのプロというわけではないのですが、その分、リアルな会話の感覚や言い回しが得られます。
また、先ほど挙げたヒラリー・クリントンのスピーチも素晴らしいですね。クリアでシンプルで力強く、さすが(元)大統領候補、という感じです。このスピーチをシャドーイング教材にするのもよさそうです。
■シャドーイング学習上の注意点
長期間続けてきた中で感じた、注意点は以下のとおりです。
①確実に「1秒」遅れて話す
私もよくやってしまうのですが、音声を焦って追いかけているうちに、いつの間にか音声と同じタイミングに重なってしまっていることがあります。
重なっているということは、「音声を脳でいったん受け止めて、それを再現する」というプロセスがやれていないわけです。繰り返しているうちに英文を覚えてしまい、それを暗唱しているだけになっているわけです。それだとネイティブの発音が脳に蓄積されません。何百回も繰り返すので英文は自然と覚えてしまうのですが、あくまで「流れてくる音声を受け止めて、マネする」ところから離れてはいけません。
この「ズレして話す」感覚は非常に難しいのですが、前述のようにTOEIC Part2などの短文から慣れていくしかないと思います。
②英語の勉強だと思うな、モノマネの修業だと思え
流れている文章を同じように言えればよい、というわけではありません。音声をそっくりそのままモノマネして、ネイティブの発音を聞き取れるように&自分で使えるようにすることが、シャドーイングの目的です。
たとえば、"city"や"water"は、ネイティブは「スィリ」「ウァラ」みたいに発音します。しかし我々は子供の頃から使っている発音、すなわち「シティ」とか「ウォーター」が染み付いてしまっており、どうしてもそこに引っ張られてしまうのです。それを繰り返していてはモノホンの発音はなかなか身につきません。
私も最初は「ウォーター」だったのですが、途中から「とにかくそっくりそのままモノマネしよう」と意識を変えてから(専門的にはプロソディシャドーイングというらしいですが)、少しずつネイティブの発音が理解できるようになってきて、リスニング力と発音がより改善されていきました。
コロッケや栗田貫一に弟子入りして、モノマネで食べていくために修業している、来週はこのネタでモノマネライブに出演する、くらいの気持ちで話し手の発音やイントネーションを完コピしましょう(この意識を忘れないために、コロッケの写真をスマホの待受にしておいてもいいかも)。
③時々は録音してチェックする
音声のとおりに話せているつもりでも、録音して聴いてみると発音が雑だったり、細かい部分が言えていなかったことに気づきます。1日1回程度は録音してみないと自己満足に陥りやすく、成長のスピードが落ちます(最悪の場合は間違った発音が身につく可能性も)。
録音をするのとしないのとでは所要学習時間が倍違ってくる、それくらいに思っていてよいと思います。なお、私のスマホでは再生と録音が同時にはできないので、スマホで音声ファイルを再生しつつ、ノートPCや古いスマホで録音するなどしています。
④場所がなければお風呂でやる、サイレントでやる
1人でブツブツ喋るトレーニングなので、場所は限られます。私は昼休み中の誰もいない会議室でやるなどしていますが、スパルタ塾の先生は「お風呂でやるのオススメ」と言っていました。また、未確認ですが「口パク」でやっても練習効果はある、という研究結果もあるそうです。
ただ、個人的にはやはり声に出したほうがより効果あるかな…と思います。街中で歩きながらやっていても、すれ違う人には一瞬しか聞こえませんし、「電話でもしてるのかな」くらいにしか思いませんので、かまわずやっちゃいましょう。
⑤英語を使ってどうしたいのかを再確認する
シャドーイングというより英語学習全般の話になりますが、もっとも大切な「モチベーション」の話です。
英語力向上に「魔法の杖」はありません。「短時間の学習でペラペラ」みたいなサービスは信じないほうがよいです。結局地道に続けていくしかなく、私もこの1年で700時間くらい学習して、ようやく「仕事で多少使える」レベルまで到達しました。
何かを毎日続けて700時間、というのはよほどモチベーションの源泉となるものがないと続きません。「日本人の9割に英語はいらない」という本もありますが、英語をどうしても使わなければならない場面というのは案外ありません。私が以前いた大手コンサル会社でも、クライアントの大部分が日本企業なので英語ができなくても意外と働いていけました(もちろんできればチャンスは広がりますが)。
自分の場合は「外資系勤務」という、英語力がビッグチャンスや評価に超直結する環境にあり、しかも長年蓄積された英語コンプレックスもあったので、それをバネにして続けることができました。
自分も何度か挫折してきたのでわかりますが「英語が上手くなったらいいな」くらいの気持ちでは続きません。シャドーイングは本当に効果的な学習法ですが、「続けるためのモチベーションがどこにあるのか」を確認することが、学習を始める前にすべきなのかな、と思います。(たとえば英語ができると転職市場では大きく有利になります。これを源泉とするのも一案です)
年代別に見ると、TOEICを受けたことのない人の転職成功率を1とした場合、受けている人は、20代が1.21倍、30代は1.41倍、40代以降が1.11倍となりました。
これを見ると、特に30代でTOEICが転職成功率に大きな影響を持つことが分かります。
スパルタ塾では「たとえ勉強する時間がなくて単語やリーディングができない日があったとしても、シャドーイングだけは必ずやるように」と言われました。それくらいに重要で、英語力の根幹を鍛える練習法なのだと思います。
700時間=2時間×1年間ですが、そこまでできないまでも、やるなら1日1時間はほしいところです(でもそれだと700時間やるのに2年かかりますが…)。
メニュー例としては、以前紹介した瞬間英作文を交えて
- 瞬間英作文 15分
- シャドーイング 30分
- リーディング or 単語 15分
みたいな組み合わせが考えられます。先ほどは700時間と言いましたが、3,4ヶ月くらいでも少しずつ変化は感じられるでしょう。そうすれば習慣化とあいまって持続へのモチベーションも自然と出てくるはずです。
研究会・勉強会の企画担当の方へ。無料(交通費のみ)で講演に伺います。
当ブログでは、私が講師をさせていただいている中小企業診断士の理論政策更新研修を何度か紹介してきました。今後、さらなるプロモーションの一環として、タイトル↑のようなサービスを始めることにしました。
時間帯や回数は限られますが(平日夜または土日、最大で月2回程度)、ご希望の団体様がいましたら交通費のみで講演に伺います(当方、都内在住です)。
その場で理論研修の紹介を3分ほどさせていただきますが、それを必ず受講しなければならないといった条件はまったくありません。草の根活動を通して多くの方に我々の存在を知っていただくこと、そして関心を持っていただくことまでがゴールです。
以下に、現在提供可能なメニューを掲載します。研究会・勉強会などを運営されており、毎回の企画立案・題材探しをされている方はぜひ一度お気軽にご相談ください。なお、このプロモーションは半年程度(2019年6月ごろ)の期間限定をさせていただきます。
ご依頼・ご質問は pepache1031(アットマーク)gmail.com までお願いいたします。
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■講師プロフィール:
高校卒業後、音楽教師を目指し音楽大学に入学するも才能の無さを実感し2年で中退。その後、慶應義塾大学環境情報学部に入学。卒業後は外資系コンサルティング会社であるプライスウォーターハウスクーパースに入社。以後、自動車メーカー、総合商社、都市銀行、保険会社など各業界の大手企業における戦略策定や業務改善、システム導入などのコンサルティング業務に約15年間従事。
現在は、外資系金融機関において業務改善、教育、システム開発などのプロジェクトマネジメントに携わっている。中小企業診断士としては、これまで小売店や理髪店、飲食店などのコンサルティングや人材育成に従事。仕事のノウハウを分かりやすく伝える技術には定評があり、昨年出版の書籍「会社では教えてもらえない 生産性が高い人の思考整理のキホン」は累計2万3千部を発行している。
著書
「誰でも使えて成果が出る 外資系コンサルタントの仕事術」(明日香出版社)
「会社では教えてもらえない 生産性が高い人の思考整理のキホン」(すばる舎)
「中小企業診断士2次試験 受験生最後の日3つのドキュメント」(共著・同友館)
「中小企業診断士試験攻略ガイド 待ってろ、診断士! 」(共著・同友館)
■研修テーマ一覧:
①「ロジカルシンキング入門」(90分)
外資系コンサルティング会社勤務時に培った論理思考スキルを、分かりやすく研修に落とし込みました。ロジカルシンキングとはなにか、なぜ必要か、仮説検証とは? といった基本を解説します。
②「MS-Officeショートカットキーで作業を倍速化しよう」(75分)
Excelを中心に、PowerPointやOutlookのショートカットキーを紹介。演習を通して身につけます。とある大手企業において好評を博し、複数の支社にて15回のリピート受注を頂いています。(受講者の際にはExcelがインストールされたPCが必要となります)
③「人狼で学ぶロジカルコミュニケーション」(150分)
理論研修において提供しているコンテンツの短縮版です。論理思考やファシリテーションが求められる「人狼」ゲームを用いて、それらのスキルを学びます。非常に盛り上がるため、アイスブレイクやチームビルディングとしても強力なツールです。
④「プレゼンテーションを成功に導く10個の鉄則」(60分)
プレゼンスキルを学ぶセミナー・研修は、講師自身が模範となるプレゼンを見せなければならないため、講師としては避けたいコンテンツの1つです(笑)。そこをがんばって形にしました。「プレゼンスキルを教えるプレゼン」をお楽しみください。
⑤「ファシリテーション入門」(90分)
コンサルティング会社にて教えられている、時間内に結論にたどり着くための会議準備・運営のノウハウをお伝えします。
⑥「デザイン思考入門」(90分)
近年注目が高まっている「デザイン思考」の概要、実施のステップ、事例等を解説します。
⑦「TOEIC 900点Overに向けた英語学習術」(60分)
英語を仕事で使えるビジネスパーソンになるにはどう勉強をしていけばよいのか、自分の体験談(TOEIC 955点&仕事でアメリカ人の役員に英語でプレゼン経験あり)を共有し、皆さんとディスカッションします。(英語の学習そのものは行いません)
⑧「診断士のための教養講座~クラシック音楽ファンの社長と語れるようになる方法~」(90分)
近年「リベラルアーツ」(≒教養)の重要性が論じられています。そこで私がかつて音大生として勉強していたクラシック音楽の基本を提供し、クラシックファンのクライアントと最低限の会話ができるようになる知識と、音楽の勉強が自分の仕事にどう活きているのかの体験談を話し、リベラルアーツの必要性について考えます。
⑨「研修・セミナーの設計手法」(60分)
ここまでに挙げてきたようなセミナー・研修コンテンツを設計・開発していく際の考え方を解説します。演習(実際に企画や教材を考えていただく)も予定しています。
以上、ご検討いただければ幸いです。
内向型診断士と外向型診断士がコラボするとよい仕事が生まれるのかもしれない
先日、名古屋で開催されたセミナーに登壇させていただきました。その内容から、少し話をしてみたいと思います。
テーマは「内向型人間」について。
外資系コンサルティング会社出身で、本を出して…という私のプロフィールを見た方の多くは「ものすごくアクティブで社交的でバリバリ働いてる人」みたいなイメージを持たれます。
しかし実際には、自分は非常に内向的な人間です。人と話すこと自体は嫌いではありませんが、自分からグイグイ積極的に話しかけて仲良くなったり…とかができません。気のしれた仲間との飲み会は好きですが、初対面の人が多いパーティなどは苦手です。
診断士関係の友人の多くも、自分が書いていたブログにコメントをくれたとか、研究会のメンバーとして知り合ったとか、人からの紹介とか、そういうきっかけがほとんどです。
「内向型人間の時代」という書籍に、内向・外向のタイプを測るチェックリストがあるので、皆さんであればいくつ当てはまるか数えてみてください。
- 集団より1対1の会話の方が好きだ
- LINEとか文章の方が自分を表現しやすい
- 一人でいる時間を楽しめる
- 他人の財産や名声に興味がない
- 世間話は苦手。自分の関心が持てる有意義な会話が好き
- 聞き上手だと言われる
- 大きなリスクを避ける
- 邪魔されずに没頭できる仕事が好きだ
- 誕生日はパーティよりも家族・親友など少数で過ごしたい
- 「落ち着いてるね」と言われる
- 作品は完成するまで見せたくない
- 他人と衝突するのが嫌い
- 一人でやる方が何事も早い
- 考えてから話す
- 楽しいことでも外出すると消耗する
- 電話に出れる時でも出ないことがある
- 忙しい週末よりも何もない週末が好きだ
- 一度に一つのことしかできない
- 集中するのは簡単だ
- 授業はディスカッション型よりも一方的に聞く講義型が好き
多いほど内向型の可能性あり、とのことですが、私の場合20個中17個当てはまっており、まごうことなき内向型人間なのだなと改めて思わされます。
※注:「内向的」と「内気」は別モノです。定義はおおまかには下記のとおりですので「内向的だけど内気ではない」という方もいます。
外向型:外からの刺激でエネルギーをチャージする人
内向型:1人でいることでエネルギーをチャージする人
内向型であるゆえに損をしていることも多いと思います。外に出て刺激を得るよりも1人や少数でいることを好むので、それによって逃している出会い、縁、チャンス、仕事はたくさんあったと思います。
しかし、内向型であるゆえに得られたものも多いと思うのです。内側を向くこと、それは自分にとっては「仕事」や「思考」について掘り下げることでした。
「どうすれば仕事の質が上がるのか」「どうすればよいアイデアが出せるのか」といったことを考えたり研究することが好きで、そこに時間・エネルギーを費やしてきました。だから、そのあたりのコンテンツやアウトプットについては外向型の人にはそうそう負けないと思っています。
そしてその結果が、たとえばこういう形として結実しているのだと思います。
だから、内向型の人は、それを負い目に感じることなく、むしろ強みとして捉え、内側を向いたときに見えたものを掘り下げていけばよいと思います。
「内向型人間の時代」によれば、内向型人間で成功している人も多いそうです。たとえばフェイスブック創業者のザッカーバーグ、Appleのスティーブ・ウォズニアック、「ハリー・ポッター」のJ・K・ローリング、科学者のアインシュタインなどなど、幾人も挙げられます。
そして、内向型の人間は、外向型の人間とコラボすることでよりよい仕事ができると思っています。私もよく、アクティブな診断士が企画を推し進めて実現したセミナーや出版の仕事に乗っからせていただくことがあります(今回のセミナーもそうでした)。
それも、
・内向型診断士が掘り下げて生み出したコンテンツを
・外向型診断士がその積極性をもって多くの人に送り届ける
というWin-Winの構図になっていると思います。人と組んで仕事をしていくと考えた際には、この「外向・内向」の視点で考えてみると方向性が見えてくるかもしれません。
なお、同書の著者スーザン・ケイン氏は同じテーマでTEDでプレゼンをしており、TEDの中で最も人気の動画の1つとなっています。ぜひご参考ください。
ロジカルシンキングの敗北
数日前、この記事が話題になっていました。
ブラック系コンビニオーナーと雇われ店長の攻防の話で、もうとにかく「これはひどい」としか言えない内容で、リンク先のマンガをぜひ読んでいただきたいのですが、記事タイトルにもなっているこの(ブラックオーナーの)発言を目にして、思うところがありました。
「労働基準法なんて関係ないよ。だってその法律、経営者が損するばっかじゃん」
僕は研修やセミナーでロジカルシンキングを教えたり、少し本で書いたりもしていますが、この手の発言をする人には論理的な説明や説得が通用しないんですよね。たとえば
「いや、労働基準法を守らないと罰せられる可能性がありますよ」
「立ち入り調査や勧告によって業務が止まったりイメージダウンのリスクがあります」
などと言えば論理的(というか常識的ですが)な反論になります。しかし、そうしたところで
「そんなの知るか」とか、
「だから俺には関係ないんだってば」とか、
「そのときはそのときだ」とか、
「屁理屈言うな」
といった謎の返事が返ってくるだけでしょう。
リンク先の記事の店長は、「労働基準法なんて」の発言を受けて呆気にとられてフリーズ(そして退職を決意)します。こういうナナメ上の主張をする相手には、マトモな説得は通じません。何を話しても徒労に終わります。
「この人には何を言っても無駄」
「この人には関わらないほうがいい」
よほど粘り強い人でない限りは、そう考えて説得や対話を諦めるでしょう。ナナメ上の人には論理や合理は通じない。僕はそれを「ロジカルシンキングの敗北」と呼んでいます。
ここ最近、ボクシングや体操の不祥事が社会問題になりました。またスルガ銀行など組織ぐるみの不祥事も起きています。推察するに、そういった組織のトップは高い確率で「通じない」タイプの人間だったのではないかと思っています。
最初は周囲が論理的合理的に提言・忠告する。しかし、ナナメ上のロジック(?)で潰される。だから心ある人ほど離れていきイエスマンだけが残る。そうして迷走・暴走する組織ができあがる。
ロジカルシンキングは大変有用なスキルです。実際、僕がいたコンサルティング会社や現職の金融機関では「根拠を持って話す」「事実と意見を区別する」「情報をモレなくダブりなく整理する」といったロジカルな姿勢を持っていなければ仕事は成り立ちません。
自分がいた組織では幸いにして多くの人がこれを習得していたので、大抵の場合、議論はスムーズにいきました。「ロジカルシンキングはスキルではなくて言語である」と私は考えていますが、ロジカルシンキングという共通のプロトコルがあれば、たとえ対立や交渉の瞬間であっても建設的に話を進めることができます(まー、ロジカルシンキングができなくても「相手を尊重する気持ち」さえあればあまり変なことにはならないんですけどね)。
しかし時おり、「通じない」相手に出くわすこともあります。前述のような威圧的・暴君的なタイプのほか「ケムマキ君」(噛み合わない会話で煙に巻くタイプの人)も、とにかくエネルギーを使うのでやりとりを避けたくなるタイプです。
ロジカルシンキングは、書籍やセミナーでも「戦略コンサルタントの最強の武器!」「ビジネスパーソンに不可欠な問題解決ツール!」みたいに煽るので、それさえ身につけば万能薬を手に入れたも同然みたいに捉える方も時たま見受けられます。
しかし、ある種の相手には別のアプローチが必要になるという意味で、ロジカルシンキングを学ぶ人に対して、それは万能ではないことを念押ししたほうがよいのではないかと私は思っています
別のアプローチというのは、たとえば「上の上から攻める」(例:課長に問題があるのならその上の部長に動いてもらう)こともあるでしょうし、「逃げの一手」もありえます。自分の精神衛生の維持や本来の能力の発揮のため、あるいは不祥事やトラブルに巻き込まれないためにも、「ロジカルが通じる環境に移る」のは妥当な手段、まさに「逃げるは恥だが役に立つ」です(同時に、かくして「憎まれっ子世にはばかる」が実現するわけですが)。
ロジカルシンキングを教えるのは難しいので、教える側の私としてはたいていそれで力尽きてしまうことが多いのですが、それはあくまで車輪の一方でしかないんだよな、ということもちゃんと伝えておかねばと、このブラックオーナーのような話を聞くたびに改めて思うのです。